YOASOBIの日本語にも聞こえる英語詞は画期的

 YOASOBIの夜に駆けるが好きだ。

 

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 はじめて聞いたのは確か、初めての緊急事態宣言の夜だったと思う。いやそう想いたい。もうそうであって欲しい、という前提で書く。つまり、まさに夜を駆けるなと言われた時に聴いていた、とても思い出深い楽曲だ。

 YOASOBI側も緊急事態宣言を意識していたのかどうかは知らないが、いずれにせよ世情と楽曲がぴったりだった印象がとても強く残っている。

 そしてしばらくしたら今度はちょっと違う夜に駆けるが、耳を駆ける。

 

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  耳を駆けてきたのは英語詞だった。でも耳をかっぽじって聴いていると耳慣れた日本語が節々に聴こえてくる。僕自身英語が出来ないので、これは英語詞に日本語を散りばめられているものだと勝手に推測していたのだが、違った。元の日本語詞に近い発音の英語を歌詞にしている全編英語の歌だった。知った瞬間とても驚いたことを覚えている。(英語が出来ないのに偉そうなことを言って申し訳ございません)

 そして、すぐに画期的な事だと直感した。自分自身、以前から、今のJPOPそのものを全編英語詞にする事で、世界に通じるJPOPが沢山出ると感じている程、JPOPの音楽性は高いと信じていたが、この楽曲はそんな浅はかで全編英語詞というクソつまらない当たり前の提案を超えている、一部が日本語にも聞こえる全編英語のJPOPだ。

 日本語JPOPというアイデンティティーを残しつつ、世界を視野に見据え捉える事も出来そうな日本語にも聴こえる英語詞のイノベーターとなったYOASOBIは、JPOPのまま世界を狙うファーストペンギンになり得るのではないだろうか。

 話を逸れるが、サビは日本語で、それ以外は全編英語という楽曲もあったら面白い。日本語をサビに残す事で、日本の言葉を少しでも多く広く知って欲しい想い。今は日本アニメの主題歌を通して、日本語を知る世界の人達は多いが、次はアニメだけではなく、JPOPという日本アニメと並ぶ文化を通して日本語を知ってもらった方が、日本を包括的に深掘りされる機会がもっと増えると思うので期待したい。

 話を戻すと、YouTubeTiktok、そしてサブスクミュージック等が普及した今は音楽に国境なんてない。どこにいてもいつでも沢山の音楽が聴ける世界が到来した。過去の日本のオシャレJPOPがYouTubeを通して、世界の音楽マニアに発掘されシティーポップとなり世界に拡がったように、ガラパゴス化したJPOPを英語でも歌う事で、今から世界の共感を得やすくしておくのも大事だと思っている。

 もちろんKPOPのようにグラミー賞を狙えるまでになるには、現地での地道なプロモーション等で多くのファンを獲得する必要はあるが、日本でヒットした曲を全編英語詞で再リリースするという今の日本の音楽界の機運は、JPOPが世界を駆ける大きな一歩だと確信している。

 

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 欲を言えば、日本語にも聴こえる英語詞というイノベーションを日本のアーティストやレコード会社で共有して欲しい。出来る事なら全ての日本人アーティストが、日本語詞と全編英語詞を同時にリリースして頂きたい。日本と世界とでわざわざ楽曲を変えたりする等、手間暇を掛けたのにも関わらず、世界で結果を出せずにいる日本の音楽界隈のコスパは正直悪いので、まずは出来ることから世界に向けて発信してみてはどうだろうか。

 YOASOBIに続くセカンドペンギンが沢山出てくる事で、今の日本の閉塞感をJPOPが打破してくれると信じている。

 

 その後、事実関係をはじめてちゃんと確認してみると、「夜に駆ける」がリリースされた日は2019年12月15日。「初めての緊急事態宣言」が発出された日は2020年4月7日でした。。僕の妄想が駆け巡り僕の理想を散りばめた駄文を、最後までお読み頂き本当にありがとうございました。